BUILT TO DESTROY
BUILT TO DESTROY / MICHEAL SCHENKER GROUP(1983)
今回ご紹介させていただくバンドのアルバムは、MICHEAL SCHENKER GROUP4枚目のアルバム「限りなき戦い BUILT TO DESTROY」となります。
さて皆さん、日本では1981年に公開された映画『戦争の犬たち THE DOGS OF WAR』はご覧になったことがありますでしょうか。
原作は「ジャッカルの日」で一躍有名になったイギリスの作家Frederick Forsythという人。因みに「ジャッカルの日」もその昔、映画化されています。
物語は、主人公である傭兵シャノン(Christopher Walken)が、イギリス政府から依頼を受けて、アフリカの独裁国家の政情を潜入調査するところから始まります。
そこでシャノンが見たものは、独裁者による恐怖政治に怯える人々。しかも、シャノンの行動を怪しむ軍隊は、彼を捉えて強烈な拷問をかけ、ボロボロとなったシャノンは強制送還されてしまいます。流石なのは自白をしないシャノンなんですが、不思議なのがそのまま生かして強制送還させる独裁国家 (*_*; どうにかこうにか生きて帰国したシャノンは、依頼主に調査報告をしますが、そこで彼が知るのは、プラチナ鉱山の利権を狙ってアフリカの小国にクーデターを企てている資産家や取り巻く悪党たちの存在...そして陰謀。
シャノンは幾つかの葛藤の末に、傭兵仲間を招集し、兵、武器を集めて新たな戦争(クーデター)に赴く決意をします。再潜入の末に、最終的にシャノンが取った行動とは...。
この映画は、今回のアルバム「限りなき戦い」のリリースと同時期に、リバイバル上映で観た映画でしたが、初めて友人と観た真面目な映画でもありました (*^^*) 何よりもChristopher Walkenの怪演技は強烈な記憶として残り、以降、彼が出演している作品は殆ど鑑賞しています。
"THE DOG OF WAR 戦争の犬たち"
→https://youtu.be/0U7yLQ9lbIY
そのような訳で、この "THE DOG OF WAR" をイイ曲だと言われる人には出会ったことがありませんが、私は大好きな楽曲なんです。でも訳詞とかを確認しますと、本映画にインスピレーションを受けたのではないのかなと勝手に思い込んでいます ('ω')ノ
大分端折らせていただきますが、本アルバムには、もうこれまでに語り尽くされている逸話があります。当時、私はこの新譜を心待ちにしていて、親にお小遣いを前借りしてまで購入したアルバムでした。
"ROCK MY NIGHTS AWAY"
→https://youtu.be/63qL2HCzai4
このAndy Nyeのキーボードから始まる "ROCK MY NIGHTS AWAY" は、私的には "掴みはOK!" のガッツポーズものでしたが、お嫌いな方も沢山いらっしゃるようです。と言いますか、本アルバムは所謂賛否両論の作品でして、「マイケル! そこまでしてもアメリカで売れたいのか?!」みたいなご意見を、当時は仲間内からも耳にしています。
"I'M GONNA MAKE YOU MINE"
→https://youtu.be/NPyICIuECEk
Gary Bardenがいたからこそ生まれた佳曲!
私にしてみれば、ポップでキャッチーで何が悪いんだろう?って感じでしたし、何と言っても曲がイイ! 特に次の聴き応え十分のドラマティックな楽曲は、私的にはMICHEAL SCHENKERの作品の中では、上位に食い込む名曲かと。
"RED SKY"
→https://youtu.be/QLn-6KBpagM
で、逸話についてですが、私が購入した数か月後にリミックスをかけて、違うバージョンの「限りなき戦い」がリリースされるって言うんですよ。
兎にも角にもMICHEAL SCHENKERの周りには、彼自身の悪さもありつつ、様々な問題が付いて回っていて、当時もマネージメント契約絡みで、本作をアメリカで売る条件としてリミックスとサイド・ギター(兼ボーカル)の採用が挙げられたとか。そんなこんな理由から世の中には2種類の「限りなき戦い」が存在することになるのです。
リミックス盤ではTed NugentのバンドにいたDerek St. Holmesが採用されています。
"SYSTEMS FAILING"
→https://youtu.be/KDBJmjmRb-4
この曲も好きだなぁ (^^♪
私は殆ど意地で、オリジナル・バージョンを聴き続けましたが、数年経って中古レコード屋さんで購入したリミックス盤を聴いてビックリ! のっけのイントロから全く違っていたもので...
しかし、現在はCD1枚でどちらのバージョンも聴けて、動画サイトもあるということで、現代の若者は羨ましい限り。何はともあれ、私的には本作がMICHEAL SCHENKER全盛期最後のアルバムと捉えており、以前綴らせていただいた「 黙示録 ASSAULT ATTACK 」とともに、いまだに引っ張り出しては聴いている良盤です。
孤高の天才ギタリストMICHEAL SCHENKER...正直もうここ数年は新譜に手を出していませんが、また出ますよね。何やかんや言っても気になってしまうのは、我々世代は致し方のないことかと (^^;)
MICHEAL SCHENKER絡みの数々の名盤は、また改めてご紹介できればと。
因みに、ベンツを破壊している本ジャケットのデザインは、John Pascheという英国のアートデザイナーが手掛けていますが、この方、THE ROLLING STONESのあのベロマークを考案された方だそうです。
●Tracks
01.ROCK MY NIGHTS AWAY
02.I'M GONNA MAKE YOU MINE メイク・ユー・マイン
03.THE DOG OF WAR 戦争の犬たち
04.SYSTEMS FAILING
05.CAPTAIN NEMO
06.STILL LOVE THAT LITTLE DEVIL 魔性の女
07.RED SKY
08.TIME WAITS(FOR NO ONE) タイム・ウェイツ
09.ROCK WILL NEVER DIE
※当時09.の曲目は"WALK THE STAGE"
※リミックスを担当したのはJack Douglas!
Bonus Tracks
10.ROCK MY NIGHTS AWAY (Original Mix)
11.THE DOG OF WAR 戦争の犬たち (Original Mix)
12.CAPTAIN NEMO (Original Mix)
13.STILL LOVE THAT LITTLE DEVIL 魔性の女 (Original Mix)
14.RED SKY (Original Mix)
※私の所有するCDは2000年国内再発盤
●Personnel
Michael Schenker – Guitars
Gary Barden – Vocals
Chris Glen – Bass
Ted McKenna – Drums
Andy Nye – Keyboards
Derek St. Holmes – Sings the verses on the American Remix of "STILL LOVE THAT LITTLE DEVIL",
Gary Barden sings both verses and chorus on the UK Mix.
Producer – MICHEAL SCHENKER GROUP & Louis Austin