自分好みの大好きな音楽を、思い出や思い込みを絡めて好き勝手に綴っていきます。80年代の洋楽が多くなりそうです。

『私的・温故知新録35』氷の世界


  『私的・温故知新録35』 

氷の世界 / 井上陽水(1973)

氷の世界 氷の世界 _back


今回ご紹介させていただくアーティストのアルバムは、井上陽水さん3枚目のアルバム「氷の世界」となります。

1973年って和暦で言いますと昭和48年でしょうか。その頃の私は年間を通して半ズボンをはいていた鼻垂れ小僧の時代。私の子どもの頃は、男児はほぼ100%半ズボンをはき、パンツもこれまたほぼ100%白のブリーフをはいていました。その内、ブリーフが伸びて、半ズボンの脇からお稲荷さんが顔を出している男児が約10%くらいは存在したと記憶しています。ブリーフが伸びる大半の理由は、面倒くさがって、社会の窓を開けずに、脇から用を足すからな訳で...これはあくまでも私独自の統計結果です。

さて、私が生まれ育った街は、所謂、学生街ってやつでして、それこそ登下校時やお昼時などは高校生や大学生で賑わう街。そして、時たま学校の正門前では、ヘルメットをかぶって、手拭いを顔に巻いた若者たちが、拡声器で「我々は~! ◎※$ΔΣΨ~...」と訳の分からない難しい言葉を叫んでいた時代。

親からは常日頃、危ないから近づくなと注意されていましたが、私は彼らに近づいて「何やってるの?」と聞いてしまうお馬鹿な子ども (^^; だいたい無視をされる事が殆どでしたが、ある優しい若者が相手をしてくれた事があり、たわいもない会話のあと、「今日はこれで解散するか」と若者たちが去っていく日がありました。で、それを見ていた近所のおばさんから親にタレコミが入り、こっ酷く叱られたのは言うまでもありません (*'ω'*)

その後のテレビ番組か何かの情報で、学生運動をされていた若者たちからフォーク・ソングが支持されていた事と、親にこっ酷く叱られた事が妙な感じで入り混じった記憶となり、フォーク = 苦手(嫌い)といった、偏った訳の分からないイメージを持つようになってしまいました (-_-;)

長々とくだらない思い出話となってしまいましたが、本題の井上陽水さんを、私がハッキリと意識するようになったのは1984年頃!

 "飾りじゃないのよ涙は" 中森明菜 & 安全地帯 with 井上陽水
  →https://youtu.be/csg5fgBltAs

井上陽水さんのバックを務めていた安全地帯の "恋の予感" 、中森明菜さんの "飾りじゃないのよ涙は" 、そして自身の "いっそセレナーデ" が同時期にヒットした年で、これらは全て井上陽水さんが曲作りに絡んでいるんです。また私が数年ぶりに邦楽も聴き漁るようになった年でもありました。で、この「氷の世界」をいきなり聴こうと思ったきっかけは、他でもない大好きな忌野清志郎さんが楽曲を提供していた事と、彼らが、もともとフォーク畑の人だったという事実を知ったからなんです(怖いもの見たさ的な)。

 "井上陽水 - あかずの踏切り"
  →https://youtu.be/F2JfRDqISdo

「陽水ライヴ もどり道(1973)」に収録された楽曲を、殆ど新曲として再録音されています。私がイメージしていたフォークとは程遠く、ノリの良いサウンドに仕上げられていますが、ロックというよりかは、歌謡曲に近い雰囲気で◎

氷の世界 002

 "帰れない二人"
  →https://youtu.be/0XNcjYwEjrg

お目当てである忌野清志郎さんとの共作となりますが、スタジオ・テイクはシンセやメロトロンを使用していたりして当時としては斬新なアレンジだったのではないでしょうか。また細野晴臣さんのベースラインも秀悦! これは期待以上の佳曲です。因みにもう一曲、共作として "待ちぼうけ" というキャッチーなメロディーを持つ楽曲も収録されています。

 "心もよう"
  →https://youtu.be/ZsqLYT_iel4

LPを裏返してB面に針を落とすと、この "心もよう" から始まるのですが、「うん? これは以前に聴いた事があるようなないような...」なんて事を考えていましたら、父親が「これは懐かしいなぁ。流行ったもんな」と。狭い家でしたので、ヘッドフォンで聴かない限り、家中の家族が聴いている状況になる訳でして (^-^; 話しを私の記憶に戻しますと、おそらくこの曲は、父親の仕事場から流れてくるラジオを、子供の頃に聴いていて頭の片隅に残っていたのでしょう。でもこの曲は、いつ聴いてもイイ曲ですね アールくん笑顔

大変失礼極まりないとは思いつつも、私が初めてこのアルバムを聴いた時の印象と言えば、井上陽水さんという人は、変わっていると言いますか、ちょっと頭がオカシイ人なのかな?と。

 "氷の世界" バックは安全地帯の面々
  →https://youtu.be/PGkM8FDFsJI

"窓の外ではリンゴ売り 声をからしてリンゴ売り
 きっと誰かがふざけて リンゴ売りのまねをしているだけなんだろ"

タイトル・トラックの "氷の世界" は、全体を通してシュールな言葉が並んでいて、ひとつひとつの内容の意味は分からずとも、それらをまとめて通して聴いていると、おぼろげながら情景や物語らしきものが浮かんできます。で、ぼんやりと勝手なイメージが思い描けてくると、喜怒哀楽的な情を感じ...あっ、こういう人のことを "天才" っていうのかなと(だいぶ聴き込んでからの境地ですが) 曲の方はですね、ファンキーなグルーヴにクラビネットの音が効いているって言ったら、この時代、アノ曲の感じです。"Very superstitious~♪" (^.^)

 "氷の世界" 今剛さん(Gt)!カッコいい!
  →https://youtu.be/0o5MEl3j2yg

後年のインタビューでは、「 "氷の世界" は若者の破壊願望を表現していますね? 」的な質問に対して、彼は「人が誰でも持っている潜在的な気持ち?...え!? そうなの? 皆、そんな風に思ってるんだ~怖いなぁ」って (;゚Д゚)

こういうお人柄も私的には大好きなところ。

ロンドンでレコーディングされた本作は、日本音楽史上初のミリオンセラーとなった歴史的名盤! しかも携わっているミュージシャンの顔ぶれも凄い面子です。後から知りましたが、RAINBOWがカバーした "BLACK SHEEP OF THE FAMILY" の元ネタバンドQUATERMASSのメンバーも参加しているのは、ちょっとした小ネタ。

お陰様で今では、社会派や四畳半などといった様々な日本のフォーク・ソングに対して、子供の頃の妙なイメージは払拭できていますが、私的には「氷の世界」はフォーキーな楽曲はあるにせよ、そのカテゴリーには全く持って収まっていませ~ん。

しかし最近は全く音沙汰がありませんが、「陽水さん お元気ですか~?」

 "日産セフィーロのCM(1988)"
  →https://youtu.be/Alynr8Q-Dbg

さて、私の "くうねるあそぶ(夏期休暇)" は今日でおしまい。また明日からせっせと働きます !(^^)!

井上陽水さん関連のその他の作品は、また改めてご紹介できればと。

●Tracks & Personnel

井上陽水 - Singer

01.あかずの踏切り (井上陽水/星勝)
Peter Robinson - Piano
John Gustafson - Bass
Barry De Souga - Drums
Joe Jammer - Electric Guitar
星勝 - Chorus
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin:
02.はじまり (井上陽水/井上陽水)
深町純 - Piano
山村隆夫 - Bass
村上修一 - Drums
高中正義 - Electric Guitar
安田裕美 - Acoustic Guitar
井上陽水 - Acoustic Guitar, Blues Harp
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin:

03.帰れない二人 (井上陽水・忌野清志郎/井上陽水・忌野清志郎)
細野晴臣 - Bass
林立夫 - Drums
高中正義 - Electric Guitar
安田裕美, 井上陽水 - Acoustic Guitar
深町純 - Synthesizer, Mellotron, Electric Harpsichord
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

04.チエちゃん (井上陽水/井上陽水)
Anne Odll - Piano
John Gustafson - Bass
Barry De Souga - Drums
Mark Warner - Electric Guitar
Ray Fenwick - Acoustic Guitar
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin
Strings Arranged by Nick Harrison

05.氷の世界 (井上陽水/井上陽水)
Peter Robinson - Piano
John Gustafson - Bass
Barry De Souga - Drums
Mark Warner - Electric Guitar
Peter Robinson - Synthesizer, Mellotron, Electric Harpsichord
Arrival - Chorus
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin:
Strings Arranged by Nick Harrison

06.白い一日 (小椋佳/井上陽水)
安田裕美, 井上陽水 - Acoustic Guitar
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

07.自己嫌悪 (井上陽水/井上陽水)
松岡直也 - Piano
高中正義 - Bass
見砂和照 - Drums
安田裕美 - Acoustic Guitar, Flat Mandolin
井上陽水 - Acoustic Guitar, Blues Harp
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

08.心もよう (井上陽水/井上陽水)
細野晴臣 - Bass
林立夫 - Drums
安田裕美, 井上陽水 - Acoustic Guitar
深町純 - Synthesizer, Mellotron, Electric Harpsichord
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

09.待ちぼうけ (井上陽水・忌野清志郎/井上陽水・忌野清志郎)
細野晴臣 - Bass
林立夫 - Drums
安田裕美, 井上陽水 - Acoustic Guitar
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

10.桜三月散歩道 (長谷邦夫/井上陽水)
深町純 - Piano
山村隆夫 - Bass
村上修一 - Drums
安田裕美, 井上陽水 - Acoustic Guitar
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

11.Fun (井上陽水/井上陽水)
松岡直也 - Piano
高中正義 - Bass
見砂和照 - Drums
安田裕美, 井上陽水 - Acoustic Guitar
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin
Strings Arranged by Nick Harrison

12.小春おばさん (井上陽水/井上陽水)
Anne Odll - Piano
John Gustafson - Bass
Barry De Souga - Drums
Mark Warner - Electric Guitar
Ray Fenwick - Acoustic Guitar
Arrival - Chorus
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

13.おやすみ (井上陽水/井上陽水)
Peter Robinson - Piano
John Gustafson - Bass
Barry De Souga - Drums
Joe Gammer - Electric Guitar
Mark Warnder - Acoustic Guitar
大江俊幸 - Steel Guitar
谷岡としお - Violin

Producer - 多賀英典
Music Arranger - 星勝

COMMENTS

8Comments

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SMO

嬉しいです

こんばんは。
陽水聴かれるんですね。自分、高中が好きで、そこから陽水に行きました。中学の頃は周りのフォークファンたちが陽水大好きで、その人たちと距離を置いていた(笑)自分は陽水も拓郎も通らず大人になりました。ハマったのは30代も終わりになった頃です。昔から、この人はフォークの人とくくられているけど、音楽性は全くフォークじゃないなと何となく感じていましたが、自分が楽器やるようになってから、曲の進行やコード、星勝氏のアレンジ等から、ロック寄りの人と認識を改め、今は大好きです。
「氷の世界」は最新版も持っています。その時のツアー、地元まで来てくれたのに行こうともせず後悔しています。なんせ、もう陽水そのままフェードアウトするのでは?と言われていますもんね。でも自分が一番好きなアルバムは今も昔も変わらず「招待状のないショー」です。

  • 2022/08/17 (Wed) 00:44
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管理人

管理人

SMOさんへ

こんにちは~!
初期の頃は、後追いの私ですが、この「氷の世界」を一発目に聴いたのは、ある意味ラッキーだったのかもしれません。今まで全部何気に聴いてきてはいますが、やはり星勝さんと組んでいた頃は、胸に響いてくるモノが違います。いやぁ~私も嬉しいです。だって"グッ、グッ、バ~イ、さよならベイビッ♪"は、口ずさんでいたというか、口癖になっていましたし、"今年は"は陽水オリジナル・ベスト・テープの常連でした(^-^) でも、このままフェードアウトはちょっと無しにしていただきたいなぁと思いつつ、それも陽水スタイルだったりするのかなぁなんて思ったりもして...モヤモヤ。

  • 2022/08/17 (Wed) 11:22
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ギターマジシャン

井上陽水

フォークギター入門には、吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫などの曲がコードストローク、アルペジオ、スリーフィンガーの練習曲になっていて、漠然とフォークの人と捉えていましたが、友人の家で聴いた「氷の世界」は、いわゆる四畳半フォークとは別物でした。

その後、「なぜか上海」の頃に、高中バンドとのライブをテレビで見て、ニューミュージックというよりロック色の強いAORみたいだと気に入って、椎名和夫をバックにしたライブをエアチェックしたり、NHKだったか無名時代の安全地帯をバックにしたライブも見たり、旧譜をレンタルしたり、詩集も買ったりと、もりあがっていたら、父がパチンコの景品で「もどり道」を取ってきてくれました。

高中とのライブはレーベルの関係か、レコード化もされないままで、安全地帯とのライブも含めて、何かの機会に映像版を発売してほしいです。
(売れてからの安全地帯とのライブはすぐに発売されたのですが・・・)

  • 2022/08/18 (Thu) 07:28
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管理人

管理人

ギターマジシャンさんへ

リアルタイムを通ってきたギタリストの方は、高中さん絡みで手を伸ばすパターンがやはり多いんでしょうね。でも「氷の世界」は世代を越えて語り継がれていく、日本が誇る名盤だと思います。安全地帯は演奏技術も高い人達なんだと気付かされたも、井上陽水さんを通ってから。後追いの楽しみは、人脈、系譜つながりからの遡りで、その方々のルーツや名盤を知って、聴いて感動できるところかと。当時の猟盤は楽しかったです^ ^ 大人の事情はわからないでもありませんが、やはりそこは垣根を飛び越えていただき、名演の音源、映像を是非ソフト化していただきたいものです。

  • 2022/08/18 (Thu) 08:57
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ネコのミミ

高品質で、大好き

こんにちは
「帰れない二人」大好きです。
このアルバム大好きです。兄が音楽好きで、このアルバムがあり私はいつも聴いていました。高品質で、最高域のアルバムです。

YouTubeで公開していないので残念です。
日本の音楽ってどうして規制が強いのでしょう。
改善すべき点だと思います。
外国は無料で公開していることがあたりまえですからね。

  • 2022/08/18 (Thu) 12:31
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管理人

管理人

ネコのミミさんへ

こんばんは。お久しぶりです。ホントこれは名盤の何物でもありませんよね。何回聴いても、いつ聴いても飽きません!まぁ、日本の大人の事情関係は、昔から欧米諸国とはだいぶズレたものがあります。ところで諸々落ちつかれたんでしょうか?まだまだ暑い日がつづきます。ご自愛下さい

  • 2022/08/18 (Thu) 22:51
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ももPAPA

こんにちわ♪

高校時代の終わりから学生で静岡に出た頃は拓郎一色、そして大學を卒業して隠岐に
新卒教師で赴任する頃は、陽水 かぐや姫 そしてチャゲアスが神的存在でした。

陽水のアルバム "断絶" を初めて聴いたときの衝撃は今もって記憶にしっかりと刻ま
れています。
あの、"傘がない" は衝撃でした。
それから、"氷の世界" と陽水にどっぷり もう音楽の中心は彼の曲が半分以上を占め
てました。
"帰れない二人" この曲がまたいい曲で、夜聴くと情景まではっきりと浮かんで・・
素晴らしいメロディメーカーで、ハートに突き刺さる歌詞もインパクトがあって 偉大
なアーティストだな~って心から実感した人ですね。
まだまだ歌ってほしいですね。
最近、亡くなった松原正樹さんがバックでギターを奏でてる陽水さんのLIVE動画の中で
"傘がない" を聴いて心が震えたのを思い出します。
https://www.youtube.com/watch?v=l8bQUsZjYYM 

管理人

管理人

ももPAPAさんへ

こんばんは!
後追いの「氷の世界」でノックダウン。そのまま「断絶」まで遡り、それから初期(星勝さん絡み)は相当聴き倒しました。まぁ、現在も聴いている訳ですが。私の場合、初の"傘がない"は、のっけの歌詞から「なんちゅう歌だ、これは」と思わず口に出してしまいましたが、時代を感じつつも、鳥肌がたっていました。しかし、ももPAPAさんの様に、リアルタイムに通過されてきた諸先輩方からの熱の伝わり方は、全く違いますね。これからも色々とご教示いただきたく何卒宜しくお願いします^ ^

  • 2022/08/19 (Fri) 21:54
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