自分好みの大好きな音楽を、思い出や思い込みを絡めて好き勝手に綴っていきます。80年代の洋楽が多くなりそうです。

『私的・温故知新録2』SHEER GREED


  『私的・温故知新録2』 

SHEER GREED / GIRL(1980)


SHEER GREEDSHEER GREED_back


今回ご紹介させていただくバンドのアルバムは、GIRLの1stアルバム「SHEER GREED」となります。

1980年はJohn Lennonが熱狂的なファンの凶弾に倒れ他界された年。それまでは、音楽と言えば、習い事のクラシック音楽や歌謡曲を聴いていた私は、大騒ぎなニュースのバックに流れるTHE BEATLESのメロディに魅せられ、次第に洋楽にハマっていくことになる忘れられない年となります。そして学校の先輩が卒業式の余興でバンド演奏した"SMOKE ON THE WATER"のリフを聴いた時の衝撃が、まさに今の私の原点になっています。

そのようなわけで、本作がリリースされた年は私がまだHR / HMに対して向き合う前のことでしたので、2ndアルバムの「WASTED YOUTH」がリリースされたのは何となく記憶がありますが、スルーしていました。

本作に出会ったのは、1983年にDEF LEPPARDの3rdアルバム「邦題:炎のターゲット PYROMANIA」がリリースされ、メンバー交代で加入したPhil Collen(G)が以前在籍していたということでの遡りでした。

GIRLはPhilip Lewis(vo)とGerry Laffy(G) が1978年にオランダのアムステルダムで出会ったことがきっかけでバンドを結成。順にPhil Collen(G)、Simmon Laffy(B)が加入し、GIRLの基盤が出来上がります。

1979年、Philip Lewisが当時つきあっていた女優のBritt Eklandの人脈や後押しを得て制作されたPVをレコード会社に持ち込み、Jet Records との契約を獲得します。


girl001

Philip "モテ男" Lewis


パンク・ブームが終焉した1979年当時は、新しいハード・ロック、所謂N.W.O.H.M.としたブームが盛り上がりを見せつつあり、GIRLもN.W.O.H.M.として括られてはいましたが、ヘビー・メタルとして括られることを極端に嫌った彼らは自らの音楽をあえて表現するなら『プレシャス・メタル』だと発言していたそうです(´∀`;)ゞ

色々と誤解や偏見を受けることも多かったようで、1980年に開催されたレディング・フェスティバルでは、お洒落で妖艶なルックスとメタルでもパンクでも無いグラム・ロック的な立ち位置のサウンドは、当時のヘビー・メタル・ファンからはそっぽを向かれてしまいます。しかしながら、見ての通りルックスは群を抜いてよかったことから、ここ日本でも女の子には大変人気がありました。


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とは言え、GIRLのサウンドは、パンク、ハードロック、レゲエ、ブギー、ニューウェーブなどの要素を上手く取り入れた、なかなかセンスある曲作りをするバンドだと言うことが本作を聴いてわかります。当然ながらChris Tsangaridesのプロデュースも功を奏していると思われますが。

その後、Jet Recordsとのゴタゴタがあったりして、1982年にようやく2ndアルバムの「WASTED YOUTH」がリリースされ、Ozzy Osbourneの全米ツアーへの参加も決まって、順調なリ・スタートが期待された矢先、ギタリストのRandy Rhoadsが飛行機事故により他界してしまいます。このためツアーはキャンセルとなり、GIRLはアメリカ初進出の足がかりを失います。その後、看板ギタリストであったPhil CollenはDEF LEPPARDに引き抜かれてしまい、バンドは残念ながら解散の道を辿ります。


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何よりも私が思うに、攻撃的でうねりのある名曲"HOLLYWOOD TEASE"を残せたことは、彼らがハード・ロック史上に一矢報いたと申し上げてもよろしいんじゃないでしょうか。

さて、Phil Collenを引き抜いたDEF LEPPARDの名盤の数々につきましては、また改めてご紹介できればと。

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●Tracks

01.HOLLYWOOD TEASE(文句なくかっこいいですね)
02.THE THINGS YOU SAY
03.LOVELY LORRAINE
04.STRAWBERRIES
05.LITTLE MISS ANN
06.DOCTOR DOCTOR
07.DO YOU LOVE ME(KISSのカバー曲)
08.TAKE ME DANCING
09.WHAT'S UP
10.PASSING CLOUDS
11.MY NUMBER
12.HEARTBREAK AMERICA
※私が所有するCDは1994年Jet Records盤と2016年ROCK CANDY盤です。


●Personnel

Philip Lewis - Vocals
Phil Collen - Guitars
Gerry Laffy - Guitars
Simon Laffy - Bass
Dave Gaynor - Drums

Producer - Chris Tsangarides & Nick Tauber

COMMENTS

2Comments

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グラハムボネ太郎

このバンドは

特に好きにならなかったです。
楽曲にあんまり魅力を感じることが出来ませんでした(^^)

  • 2021/03/08 (Mon) 11:52
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管理人

管理人

グラハムボネ太郎さんへ

ええ!だめですか。最近はこんなご時世ですので自粛中ですが、お遊びイベントでGIRL版の"HOLLYWOOD TEASE"を
いまだに流しています。

  • 2021/03/08 (Mon) 21:54
  • REPLY