『私的・気になるモノコト 6』ガンバの冒険 Ⅱ
ガンバの冒険 Ⅱ
前回、子供の頃に夢中になって観ていたTVアニメ『 ガンバの冒険 』を綴らせていただきました。で、また全26話を見直したくなってしまい、家族全員で日を分けて鑑賞することに。
常日頃、私の好きな映画や音楽などには、あまりというか殆ど興味を示さない家族たちも、勇敢で人情味溢れるガンバのキャラクターに魅せられたらしく、回を追うごとに前のめりとなって、「このあとどうなっちゃうの?」なんて聞いてきたりなんかして、いやはや、何だかイイ気分になっていました (*^^*)
今観ても、とても昭和50年のアニメとは思えない、豊かなストーリー性と手に汗握る迫力! 時に涙もろいガンバから、もらい泣きさせられたり...いやぁ、何度観てもガンバは最高です
そんな『ガンバの冒険』の第15話に『鷹にさらわれたガンバ』という回があります。全編、ネズミたちの視点で物語がすすみますので、人間は "別世界の恐ろしい生き物" 的なイメージで、白黒の顔無しな感じで描かれているんです。ところが、この第15話は、唯一、人間との交流が描かれた回でして、人間の表情もくみ取れる演出がされています。
仲間たちと離れてしまったガンバは、必死になってカラス岳を目指していましたが、ひと休みしているところで、鷹に襲われてしまいます。ケガを負いながらもどうにか逃げ切りましたが、荒天の中でヘロヘロになりながら、目に入った山小屋に残りの力をふりしぼって辿り着きます。
山小屋には孤独な山岳ガイドの青年が住んでいました。一人寂しくラジオで音楽を聴く青年。そんなラジオから流れてきた曲は...
"風の世界" SUGAR BABE
→https://youtu.be/OCqrr52hhgk
ガンバ好きかつ音楽好きの方々には、有名なお話。でも、リアルタイムでは、私は年齢が一桁。だいぶ経って見直してから本曲に気づく事になります。
「SONGS(1975)」
作詞・作曲 大貫妙子さん
"さみしがりやの私を
尋ねて来た あなたは風
開け放した窓から
夜の影と忍び込んで渦巻く
心を覗かれないよう
固く閉ざしたまま
飛ばされ吹き飛ばされ
からっぽの街の中 どこまでも"
当時、世間的には全然認知されていなかったSUGAR BABEの楽曲を使うとは...このスタッフ、只者じゃないなと (^^♪
さて、隠れていたガンバは物音に気付いた青年に見つかってしまいます。指に噛みついたり、バタバタと逃げ回るガンバ! でも、ついに力尽きて掴まってしまいますが...青年は捕まえたネズミがケガをしている事を知り、手当をして、食べ物を与えるんです。この人間は大丈夫なのか? ...戸惑いながらも食べ物を頬張るガンバを、青年はじっと見守ってくれていました。
青年は、山小屋日誌にこう綴ります。
「今日も素晴らしい天気だ。夜中に登山客一匹あり。腹を減らしケガをしていたが、手当ての甲斐あって夜明けと共に元気に小屋を出発していった。行き先はどうやらカラス岳らしい。とてもチビ、そして闘志満々なヤツだ。頑張れ、たった一匹の登山者よ! 頑張れ、勇気あるネズミよ! ああ、うまい、こんなうまい山の空気は久しぶりだ。」
当然、この回の良さに気づくのも、だいぶ経ってからの事。
因みに、原作も素晴らしいので、家族にすすめていますが、まだ読まれていない (^^;