RED,HOT AND HEAVY
RED,HOT AND HEAVY / PRETTY MAIDS(1984)
今回ご紹介させていただくバンドのアルバムは、PRETTY MAIDSの1stフル・アルバム「RED,HOT AND HEAVY」となります。
当時の私は、部活が終わって、パン屋さんで部活仲間と買い食いをし、貸レコード屋さんに寄って、色々な情報を得てから帰宅する毎日を送っていました。そういった訳で、店員さんには顔と音楽の趣向を憶えていただいてましたので、ある日「好きそうなの入れたよ」と店員さんから本作を薦められました。試聴させてもらおうとしたら、「騙されたと思ってここでは聴かずに借りてってよ」と、終了間際だったこともあってか、何と当日料金で1泊2日のレンタルサービスをしてもらいました。
帰宅して、「得しちゃったなぁ」などと独り言を言いながら、鼻歌交じりでレコード盤に針を落としたところ、いきなりオープニングを飾るのはクラシックの名曲「CARMINA BURANA」から引用された大仰な "FORTUNA" で幕を開け、間髪入れずにギター・リフの畳み掛けからの、"RIDE!~♪"...あまりのカッコ良さにしばらくの間、言葉を失ってしまいました。
正統派メタルを軸にして北欧バンド特有の美しく透明感のある音使いが織り交ざった作風ですが、デンマークのバンドながらジャーマン・メタルに近いサウンドだと私は感じます。そのあたりは、感覚なんですけどね
Ronnie Atkinsは、ガナリたてるような太い声の力強い歌唱と "WAITIN' FOR THE TIME" で聴けるように、クリーンな声質で歌うこともできる非常に器用なボーカリスト。
この歌唱と勇壮でメロディアスな曲調が兼ね備えているからこそ、一本調子の暑苦しいアルバムにならないのだと考えます。いずれにしましても、全体を通して、PRETTY MAIDSのわざとらしいくらいのツボを押さえたヘビー・メタルに、わかっていながらも、ハマってしまいました。
メジャー・レーベルのCBSからリリースし、このあとも更なるワールドワイドな展開を狙ったものの、なかなか上手く事は運びません。しかしながら、ここ日本や欧州ではしっかりとした基盤を築き、現在も精力的に活動を続けられています。
本作は、技術的なところはまだまだ粗削りで発展途上ですし、垢ぬけないところがあるのも否めませんが、私的には同好の皆様にお薦めさせていただく、捨て曲無しの80年代HR/HM史に残る名盤です。
私は2ndと3rdも大好きなアルバムです。これもまた改めてご紹介できればと。
最後に...Ronnie! これからもまだまだ沢山素晴らしい作品を聴かせてください!
Ronnie Atkins - "REAL" (Official)
→https://youtu.be/Q3oIp7dQx9k
●Tracks
01.FORTUNA
02.BACK TO BACK
03.RED、HOT AND HEAVY
04.WAITIN' FOR THE TIME(お薦めのメロディアス・ハード・ロック①)
05.COLD KILLER
06.BATTLE OF PRIDE
07.NIGHT DANGER
08.A PLACE IN THE NIGHT(お薦めのメロディアス・ハード・ロック②)
09.QUEEN OF DREAMS
10.LITTLE DARLING(THIN LIZZYのカバー曲)
後に "PLEASE DON'T LEAVE ME" のカバーでそこそこ有名になります。
●Personnel
Ronnie Atkins - Vocals
Allan Delong - Bass
Ken Hammer - Guitars
Rick Hanson - Guitars
Phil Moorhead - Drums
Alan Owen - Keyboards
Billy Cross - Lead guitar on "LITTLE DARLING"
Producer - Billy Cross & Tommy Hansen