THE WRECK-AGE
THE WRECK-AGE / TYGERS OF PAN TANG(1985)
今回ご紹介させていただくバンドのアルバムは、TYGERS OF PAN TANGの5thアルバム「THE WRECK-AGE」となります。
前作の「邦題:危険なパラダイス / THE CAGE」が TYGERS OF PAN TANGとの出会いとなりましたが、John Sykes(Gt)は脱退してTHIN LIZZYに加入してしまい、レコード会社からも十分なサポートが得られずにバンドは解散状態に陥ります。
それから3年の月日が経ち、正直私は彼らの存在を忘れかけていた頃に、Jon Deverill(Vo)とBrian Dick(D)が再びバンドを立て直し、新たな3人のメンバーを加えて、本作をリリースします。
ところが、当時の私の羅針盤であるヘビー・メタル専門誌のレコード・レヴューでは、な、な何とMASA-ITOH御大が、手厳しいコメントに絡めて100点満点中49点...
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大友克洋『童夢』より
う~ん...こういう時は行きつけの貸レコード屋さんで試聴させてもらうことに。
部活を終えて、パン屋での買い食い~貸レコード屋さんといつもの帰宅コースを辿り、店員さんにお願いして試聴させてもらったその音は...
"WAITING"
→https://youtu.be/fRZpUvPBDA0
"THE WRECK-AGE"
→https://youtu.be/MJQnrHyqp9M
...コレ、前作を超えてるんじゃなかろうか?!
Jon Deverillの甘い声を生かしたメロディアスな楽曲は前半を中心に佳曲が続き、特にタイトル・トラック "THE WRECK-AGE" は初期のファンの方々も納得の正統派ハード・ロック・チューンとなっています。
本作で大きく貢献をしているのは、キーボード・プレイヤー、そして作曲者としてアルバムに加わっているSteve Thompsonなる人物。前作でも彼の名が作曲でクレジットされていましたが、本作では約半数以上の楽曲が彼の手によるものとなっていて、只者ではないことが伺えます。
分厚いコーラスもふんだんにアレンジされていて曲の完成度も非常に高く、英国のバンドならではの湿り気と哀愁もしっかりと兼ね揃えています。メロディアス・ハード・ロックとしては実にレベルの高い作品で名作と呼んでも過言ではない私的にお薦めのアルバムです。
本作の路線を更に推し進めた「BURNING IN THE SHADE」を1987年にリリースしていますが、そちらはまた改めてご紹介できればと。
●Tracks
01.WAITING
02.PROTECTION
03.INNOCENT EYES
04.DESERT OF NO LOVE
05.THE WRECK-AGE
06.WOMEM IN CAGES
07.VICTIM
08.READY TO RUN
09.ALL CHANGE FACES
10.FORGIVE AND FORGET
●Personnel
Jon Deverill - Vocals
Steve Lamb - Guitars
Neil Shapherd - Guitars
David Donaldson - Bass
Brian Dick - Drums
Guest Musicians
Steve Thompson - Keyboards
Ian Curnow - Keyboars & Programming
Graham Lee - Backing Vocals
Producer - Phil Harding